研究活動


【良忠上人の伝記に関する研究】

良忠上人の伝記の中で最も古いのは慶安に成立した道光著『然阿上人伝』です。そこから『延宝写本』『貞享版』『天保版』と異本が著され、明治時代になると『記主禅師行状絵詞伝』と新たな伝記が成立します。良忠上人の生涯はまだ分かっていない部分も多く、これらの伝記がどのような史料を元に作られたのか、これらの伝記類の関係性はどうなっているか、など伝記の読み比べを中心に研究を行っております。

 


【『十夜略縁起』に関する研究】

大本山光明寺で毎年行われる十夜法要は明応4年(1495年)に光明寺第9世観誉祐崇上人が真如堂に伝わる十夜を法要したことが始まりと伝えられています。

その典拠となるのが『十夜略縁起』ですが、この典籍の成立過程については分かっていないことが多いです。

十夜の発祥といわれている京都の真正極楽寺にある『真如堂縁起』は『十夜略縁起』と深い関係があると思われますが、内容の一部が異なっているため、まだはっきりとはいえません。

研究所では、『十夜略縁起』の成立やその内容について研究を進めていきます。


【『鎌倉法語集』の現代語訳】

江戸時代の僧侶である隆円が、良忠上人の著作物の中から文章を抜粋して、良忠上人の教えを分かりやすく伝えるために著したものが『鎌倉法語集』です。

 研究所では『鎌倉法語集』を現代語訳することで、良忠上人のお言葉を多くの方に知ってもらい、お説教の讃題にも活用してもらえるような冊子を製作します。


【光明寺の什物整理】

 光明寺が所有している什物の一部は鎌倉国宝館に保管されております。その目録は昭和〇〇年に鎌倉市によって作成されましたが、その間に幾つかの什物の出入りが行われており、現在光明寺の什物を正確に記載している目録が存在していないのが現状です。研究所ではこの什物を撮影・記録することで新たな目録を作成します。